ネットワークコンピューティング

1. URL
2. 担当教員
3. ネットワークに関する疑問
4. 講義目的
5. 到達目標
6. 授業方法
7. 成績評価
8. スケジュール
9. 大崎が担当する科目に共通の連絡事項・アドバイス
10. LAN の構成要素・通信プロトコル
11. 無線 LAN、VLAN (仮想 LAN)
12. インターネットの概要、TCP/IP
13. IP プロトコル (1)
14. IP プロトコル (2)
15. 前半の総復習
16. 授業中試験について
17. TCP プロトコル (1)
18. TCP プロトコル (2)
19. インターネットの要素技術 (経路制御)
20. インターネットサービス (名前解決)
21. DHCP、ネットワークアドレス変換
22. HTTP
23. 後半の総復習

前半の総復習

授業の流れ

1. 解説 (90 分)
2. リフレクションシート記入 (10 分)

態度目標

- 解説された内容を判的思考で分析し、できるだけ多くを吸収する。

- 脳が覚醒した状態のままでいる。

- クリッカーに記入する質問は、可能な限り、正しい日本語で具体的に記入する。

- 始めて知ったこと、なるほどと思ったことはノートに記録する。

内容目標

- 前半の「内容目標」すべてに到達できるようになる。

- 前半の内容に関連して、理解が不十分なもの、疑問が残っているもの、もっと知りたいものを言語化して質問できるようになる。

- 前半の内容に関連する疑問を一つでも多く解消できるようになる。

クリッカー

[授業中に使用] クリッカー (パスワードが必要です)
https://lsnl.jp/app/lecture/clicker/show/netcomp

質問への回答

- 文献によってホップ数の数え方に違いがあるとのことでしたが、なぜその違いが生じてしまっているのでしょうか?

hop は一般的な動詞なので、何を hop ととらえるかで数え方が変わるからだと思い
ます。

「自然数」の定義には 0 を含むものと含まないものがある、「年収」の定義には税
込みのものと税別のものがある、というのと同じような話だと思います。

- IPプロトコル(2)課題1について,16進ダンプの前半にはヘッダとしての情報があり,後半は全て送信するデータという認識であっていますか?

「後半はトランスポート層以上のレイヤが送信するデータか」という意味なら Yes
です。

- CSMA/CAの指数バックオフは、ランダムに時間を遅らせるという認識であってますか?また衝突確率を下げる目的で行われますが、特定の局がネットワークを占有してしまうなどのデメリットは存在しないんですか?

binary exponential backoff なので、待ち時間の期待値を 2 倍ずつ増加させます。
待ち時間の上限 W を 2 倍ずつ増加させ、実際の待ち時間は [0, W] の一様分布で決
定します。

「全ノードが紳士的にふるまう」ことが前提なので、悪意のあるノードがバックオフ
せずにフレームをガンガン送信すれば、そのノードが帯域を大く利用できてしまいま
す。

- 大崎研での研究テーマのうち、ネットワークコンピューティング前半の内容と重なるところがあれば教えていただきたいです。

授業で扱っているのは「現在広く使われている (= 研究段階ではなく実用段階の)」
通信方式なので、研究ではこういった古いプロトコルそのものは扱っていません。

ただ、データリンク層や、ネットワーク層、トランスポート層のプロトコルという意
味では同じです。TCP/IP よりも、もっと未来のプロトコルの研究をしていると思っ
てくれれば合っていると思います。

- IPアドレスはどのように決定されるのですか?何か法則はありますか?

IANA という組織が割り当てています。IP アドレスは希少性があるので、今では高値
で売買されているそうです。

- 私はセキュリティに興味があり、CTF(Capture The Flag)の勉強を始めたいと考えています。CTFではLinuxの知識が重要だと聞きましたが、具体的にはどの程度のスキルレベル(例えば、基本的なコマンド操作、シェルスクリプト、ネットワーク設定など)が必要になるのでしょうか? また、CTFで役立つLinuxのスキルを効率よく学ぶために、最初に取り組むべきことや、おすすめの学習リソース(特定のディストリビューションや学習サイトなど)があれば教えていただきたいです。

セキュリティ CTF ですね。私自身はセキュリティ CTF に取り組んだ経験はないので
すが、世界中に多数のセキュリティ CTF があって、難易度もピンキリだという理解
です。初心者向けのセキュリティ CTF もあると思うので、とにかく始めてみればい
いのでは、という認識です。

- IPヘッダのTTLはなぜ必要となるのですか?

パケット交換方式はバケツリレーで、ルーティングプロトコルによって経路がループ
する可能性があるからです。TTL がないと、パケットが永遠にネットワーク上をさま
よってしまう可能性があります。

- 大崎先生の研究室での研究内容に興味があります。そのために、どのような力や姿勢を身につけておくことが望ましいでしょうか?大崎先生の研究室に合っている生徒は、どのようなことができる生徒ですか?

以下のページを読んでみてください。必要なのは「興味」と「挑戦しようという想い」
です。

ネットワークアーキテクチャ研究室の紹介 (2024 年バージョン)
https://lsnl.jp/~ohsaki/lsnl/intro/

- プロトコル番号について調べたところ1から142番まで出てきたのですが、すべての種類を覚えるのは難しいと思うので、覚えておくべき大事なものはありますか?

「プロトコル番号」そのものは覚えなくてもよいと思います (それほど使う場面があ
りません)。まずは TCP、UDP、ICMP などのプロトコルを理解するとよいでしょう。

- VPNを用いると、海外専用のサービスにアクセスできますが、どのようにして実現しているのですか。また、それは制限している側からは、アクセスをはじくことができないのですか・

トンネリングという技術を使います (許可されている通信プロトコルの本文のところ
に、許可されていない通信プロトコルを埋め込んで送受信するというイメージです)。

通信内容が暗号化されていれば、トンネリングしているかどうか判別が困難なので、
アクセスを禁止することも困難です。通信内容が暗号化されていないなら、通信内容
を検閲すればトンネリングの有無がわかるのでアクセス制限も可能です。

- ネットワークコンピューティング実習の後にこの講義をしているのはなぜですか?

時間割の構成上「たまたまそうなった」以上の理由はありません。

- RSA暗号等で現状のネットワーク上のデータは暗号化が実施されていると考えています。今後、量子コンピューターが発 展してくると、その暗号ですら一瞬で突破されると考えられます。その際の暗号化とはどのようになりますか?

どうなるんでしょうね (わかりません)。素因数分解に基づかない暗号化方式が主流
になるのでしょうかね (よくわかりません)。

- 今までの工学部の学生のうち、外部の大学院にチャレンジしている人は何割ぐらいに感じますか

毎年数人くらいのイメージです。卒業生の 5% くらい、大学院進学希望者の 15% く
らいのイメージです。

- この講義では伝送効率やヒット率の式が割と理解できるような式になっていますが、実際はもっと難しい数式を扱いますか(行列や積分等)?

どのような条件下で、何を求めたいかによります。実用上、多くの場合は、本講義で
扱っているような単純な見積りで十分です。研究レベルだと、もっと複雑な数学を使
うものもあります (トラヒック理論では確率をよく使います)。

- IPv6の普及が進まない主な理由は何だと思いますか?

(思ったよりも) 意外と進んでいると思います。

RFC 9386 IPv6 Deployment Status
https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc9386.html

- プレゼンやレポートの作り方は人によって異なりますが、大崎先生はどういう風に作っていますか?ベースとするものや必要・不必要だと思うものを教えてください。

以下のページを読んでみてください。

充実した大学・大学院生活のための 100 のヒント (草稿)
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips/

充実した研究室生活のための 100 のヒント (草稿)
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips-lab/

基本的に、すべてプレーンテキストで作成しています (Word、PowerPoint 等は使用
しません)。

- lsnlとは何ですか?何かの略称ですか?

Large-Scale Networking Laboratory の略です。

- インターネットの概要、TCP/IPの講義の課題3でIPアドレスのサブネットに収容できるホスト数を計算したと思います。この課題ではサブネットマスク/24で計算したと思うのですが24じゃないときもあるとネットワークの講義で学んだ気がします。なぜでしょうか?

今では CIDR も広く使われているからです。クラス C アドレスは /24 ですが、/24
で使うと (空きがでて) もったいないので、/26 とか /28 とかに分けて使おう、と
いう利用法です。

Classless Inter-Domain Routing
https://en.wikipedia.org/wiki/Classless_Inter-Domain_Routing

- IPヘッダのオプション部分は実際の通信でどのくらい使われているのですか?

ほとんど使われていないと思います。

- 回線交換方式ではスループットはどのように決まりますか?

いろいろな条件を定めないとスループットは決まりませんが、ざっくり言えば、エン
ド-エンドで一番遅い (帯域が最小の) 通信回線の速度になります。

- 呼損や損失、正しい順序で通信が行われない可能性があるなど安定性に欠けるパケット交換方式が今のWiFiやスマホの通信に用いられているのはなぜですか?

「インターネットの概要、TCP/IP」の回をもう一度復習してみてください。一言で言
えば、「圧倒的に安いから」です。

- IPパケットを16進ダンプの読み取り方がまだ理解できていないのですが、どのように読み取ればいいのでしょうか

過去の講義ビデオを観るか、わかっている人に聞いてみてください。

- ネットワークの回線はよく青・水色で表現されることが多いですがなぜだと思いますか?個人的には透明だと感じています

青・水色で表現されることが多いですか? 普通は黒の太線だと思います。

- IPプロトコル(2)課題2の2においてデータグラム長は最大65535オクテットになるというのがあります。しかしIPv4ヘッダのサイズは20オクテットではないのでしょうか?これはデータグラム長の可変によって異なるという認識でいいですか

どういう意味ですか? IP ヘッダ長は最小 20 オクテット、最大 60 オクテットです。
IP パケット長は最小 20 オクテット (IP ヘッダ長が最小の 20 オクテットで、ペイ
ロードなし) 、最大 65,535 オクテットです。

- お子さんがいると聞きましたが、家庭でもネットワークの話をしているんですか?

いいえ。

レポート課題・質問・要望・コメント 2025/10/29

なし

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