ネットワークコンピューティング

1. URL
2. 担当教員
3. ネットワークに関する疑問
4. 講義目的
5. 到達目標
6. 授業方法
7. 成績評価
8. スケジュール
9. 大崎が担当する科目に共通の連絡事項・アドバイス
10. LAN の構成要素・通信プロトコル
11. 無線 LAN、VLAN (仮想 LAN)
12. インターネットの概要、TCP/IP
13. IP プロトコル (1)
14. IP プロトコル (2)
15. 前半の総復習
16. TCP プロトコル (1)
17. TCP プロトコル (2)
18. インターネットの要素技術 (経路制御)

インターネットの概要、TCP/IP

授業の流れ・チーム分けの方針・態度目標

2024/09/25 のものと同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/netcomp/2024/#10-1

テキスト

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/netcomp/2024/priv/03.pdf

内容目標

- パケット交換方式と回線交換方式それぞれの原理を他人に説明できるようになる。

- パケット交換方式の利点と欠点を他人に説明できるようになる。

- IP アドレスの構造と意味を理解し、他人に説明できるようになる。

- パケット交換方式と回線交換方式の優劣を定量的に議論できるようになる。

課題

課題 1

回線交換方式で動作するネットワークについて、 以下の小問に答えよ。 ただし、 スイッチ間のリンクの利用率をすべて等しく p_1、 各リンクの伝搬遅延をすべて等しく τ [s]、 各スイッチにおける処理遅延をすべて等しく Δ [s] とする。 ホスト X からホスト Y までのホップ数を h とする。

(1) ホスト X〜ホスト Y 間の呼損率 q_1 を求めよ。

(2) ホスト X からホスト Y までメッセージを伝送する時の通信遅延 D_1 を求めよ。

課題 2

パケット交換方式で動作するネットワークについて、 以下の小問に答えよ。 ただし、 各スイッチにおけるパケット損失率をすべて等しく p_2、 各リンクの伝搬遅延をすべて等しく τ [s]、 各スイッチにおける処理遅延およびキューイング遅延をすべて等しく Δ [s] および W [s] とする。 ホスト X からホスト Y までのホップ数を h とする。

(1) ホスト X〜ホスト Y 間のパケット損失率 q_2 を求めよ。

(2) ホスト X からホスト Y までパケットを伝送する時の平均遅延 D_2 を求めよ。

課題 3

16 進数で C0DAA8CA の IP アドレスについて、以下の小問に答えよ。

(1) 10 進ドット表記で示せ。

(2) アドレスクラスを答えよ。

(3) サブネットに収容できるホスト数を答えよ。

課題 4

課題 1 および課題 2 において、 p_1 = 0.1、 p_2 = 0.01、 h = 5、 τ = 1 [ms]、 Δ = 0 [ms] の場合を考える。 以下の小問に答えよ。

(1) q_1、q_2、D_1、D_2 をそれぞれ求めよ。

(2) 上の条件下において、 W の値がどの程度までなら、 回線交換方式よりもパケット交換方式のほうが望ましいと考えられるかを論ぜよ。

略解

課題 1

ホスト X〜ホスト Y 間に存在するスイッチ数が h - 1、 スイッチ間のリンク数が h - 2 である。

(1) h - 2 本のリンクがすべて利用可能である時に限り呼損とならないから

q_1 = 1 - (1 - p_1)^(h - 2)

(2) ホスト X〜ホスト Y 間に存在するリンク数が h、 スイッチ数が h - 1 であるから

D_1 = τ * h + Δ * (h - 1)

課題 2

ホスト X〜ホスト Y 間に存在するスイッチ数が h - 1 である。

(1) h - 1 台のすべてのスイッチにおいてパケット損失が起きない時に限りパケット伝送が成功するから

q_2 = 1 - (1 - p_2)^(h - 1)

(2) ホスト X〜ホスト Y 間に存在するリンク数が h、 スイッチ数が h - 1 であるから

D_2 = τ * h + (Δ + W) * (h - 1)

課題 3

(1) 192.218.168.202

(2) クラス C

(3) 254

課題 4

(1) q_1 = 0.271、q_2 = 0.039404、D_1 = 5 [ms]、D_2 = 5 + 4 W [ms]

(2) 省略

レポート課題・質問・要望・コメント 2024/10/11

「レポート課題 2024/09/25」と同じ。

https://lsnl.jp/~ohsaki/lecture/netcomp/2024/#10-10

要望

- 上の条件下において、 W の値がどの程度までなら、 回線交換方式よりもパケット交換方式のほうが望ましいと考えられるかを論ぜよ。の問題について自習をした時に分からなかったので、解説を上げてもらえると嬉しいです。

  これは「答が一意に定まらない」問題です。「私ならこう考える」というのを論じて
  ください。呼損率/パケット損失率も、通信遅延も小さいほうがベターです。

  q_1 = 0.271、q_2 = 0.039404、D_1 = 5 [ms]、D_2 = 5 + 4 W [ms] という条件で、
  例えば W = 0 で、送信するパケット数が 1 なら、パケット交換方式のほうが良いに
  決まっています (同じ通信遅延でロス率が小さいから)。同様に、W = 10 で、送信す
  るパケット数が 1 ならどうでしょう? パケット交換方式のロス率は回線交換方式の
  約 1/7 ですが、パケット交換方式の通信遅延は回線交換方式の 9 倍です。この両者
  を天秤にかけた時、あなたならどちらが良いと考えますか? 同様に、送信するパケッ
  ト数がもっと多い場合はどうでしょうか?


[<11. 無線 LAN、VLAN (仮想 LAN)] [>13. IP プロトコル (1)]