関西学院大学 工学部 情報工学課程
大崎 博之 (ohsaki[atmark]lsnl.jp)
100 Tips for Your Successful Laboratory Life (DRAFT)
Hiroyuki Ohsaki (ohsaki[atmark]lsnl.jp)
Department of Informatics, School of Science and Technology, Kwansei Gakuin University
$Id: index.pod,v 1.24 2022/12/20 03:14:15 ohsaki Exp $
「充実した大学院生活のための 100 のヒント」では、 大学生もしくは大学院生のみなさんが、 快適かつ有意義な研究生活を過ごすためのヒントを紹介しました。 ここでは、 どの大学でも通用するような、 一般的ヒントを紹介しましたが、 みなさんが所属するそれぞれの研究室では、 その研究室固有のルールや規則があると思います。
充実した大学院生活のための 100 のヒント
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips/
そこで、 この文書では、 大崎研のみなさんが充実した論文作成および研究発表をするための 100 のヒントを紹介します。 これらの多くは、 「私の研究グループのローカルルールであり、 どの組織でも通用するような普遍的なものとは限らない」 ので注意してください。
指導者 (通常、同じ研究グループの先輩) に普段から相談する
30 分以上同じ作業をしても進まなければ、指導者に相談する
研究はすべて紙ベース (ノート + ファイル) で行う
研究ノートのみを使う。それ以外のメモ用紙などは使用しない
考えたこと/試したこと/分かったことは、すべてノートに記録する
質問時・ミーティング時には、研究のノート + ファイルを持参する
質問なのか、報告なのか、相談なのかをまず明確に伝える
質問する時は、まず自分の考えを明確に説明する
質問する時は、状況を具体的に説明する
賢い質問のしかた
http://www.ranvis.com/articles/smart-questions.ja.html
質問の仕方
http://archive.linux.or.jp/beginners/question.html
質問する時は、エラーメッセージなどは一字一句そのまま伝える (画面のダンプ保存、デジタルカメラで撮影など)
アプリケーションを (もしあれば) verbose モードや debug モードで動作させるなどして、 できるだけ情報を集めましょう。
strace (システムコールのトレース) や ltrace (ライブラリコールのトレース) の結果も非常に有用です。 これを見るだけで、 かなり問題が解決します。
$ strace プログラム名 引数...
$ ltrace プログラム名 引数...
なお、 エラーメッセージを確認・記録するにはいろいろな方法があります (おすすめの順に紹介します)。
ターミナルアプリケーションの場合:
(1) Emacs の shell バッファを利用
Emacs のシェルバッファ (M-x shell) でアプリケーションを実行し、 M-v (scroll-down) で逆スクロールさせて確認する。
問題が発生すると事前に分かっているなら、 この方法がおすすめです。
(2) screen を利用
事前に screen を実行しておいて、 なおかつ screen のスクロールバッファを十分大きな値に設定 ($HOME/.screnrc で、 defscrollback 100000 などと設定) しておき、 C-a [ (copy) で逆スクロールさせて確認する。
問題が発生すると事前に分かっていない時は、 この方法が便利です。
(3) tee コマンドを利用
アプリケーションの標準出力・標準エラー出力を tee コマンドで保存する。
$ プログラム名 引数... 2>&1 | tee foo.log
(4) script コマンドを利用
事前に script コマンドを実行しておいて、 標準出力・標準エラー出力をファイルに保存しておく。
$ script foo.log
Script started, file is foo.log
$ (エラーが発生するコマンドを実行)
$ exit
Script done, file is foo.log
エスケープシーケンスも含めて、 全ての出力が保存されます。
(4) ターミナルのスクロール機能を利用
xterm や rxvt のスクロールバッファを十分大きな値に設定 ($HOME/.Xdefaults で、 *VT100*saveLines: 100000 などと設定) しておき、 スクロールバーを使って逆スクロールさせて確認する。
ウィンドウアプリケーションの場合:
(1) ImageMagic を利用
ImageMagic の import コマンドを使用する。
$ import foo.png (PNG 形式で保存する場合)
(2) xwd コマンドと netpbm を利用
X Window System に標準で含まれる xwd コマンドを使用する。 netpbm と組み合せて使うと便利。
$ xwd | xwdtopnm | pnmtopng >foo.png (PNG 形式で保存する場合)
研究関係の連絡 (報告・連絡・相談) は個人宛でなくグループ宛に送る
メールのスレッドを切らない (In-Reply-To ヘッダを消さない)
質問した後に自力で解決できた場合には、(他の人の参考になるので) 何をどうやって解決したのかを報告する。
校閲/添削依頼は Redmine 上のチケットから依頼する
オペレーティングシステムは Debian GNU/Linux を使う
エディタは GNU Emacs を使う
日本語入力には SKK を使う
ターミナルは rxvt-unicode を使う
シェルは screen + fish を使う
教員に校閲/添削を依頼する前に、指導者の校閲/添削を受けて OK をもらう
どの部分を校閲/添削して欲しいのか明確にして校閲/添削を依頼する
LaTeX のソースコード中に書くコメントの形式は、% コメント -ログイン名 [YYYY/MM/DD]
とする
例: % 図中の XXX を埋める -ohsaki [2005/07/12]
Emacs でコメントをつけるには、 ~/.emacs に以下のコードを追加して、 C-c C (M-x insert-modification-notice) とします。
(global-set-key "\C-cC" 'insert-modification-notice)
(defun insert-modification-notice ()
"Insert today's date followed by your full name at the current point
as a comment."
(interactive)
(cond ((or (eq major-mode 'latex-mode)
(eq major-mode 'outline-mode))
(save-excursion
(insert (format "%% -%s [" (user-login-name))
(format-time-string "%Y/%m/%d")
"]\n"))
(forward-char 2))
(t
(insert (format "%s%s, %s by %s%s"
(comment-start-with-space)
(substring (current-time-string) 4 10)
(substring (current-time-string) -4)
(user-full-name)
(or comment-end "")))
(indent-according-to-mode))))
単一または少数のファイルで、かつサイズが小さいもの (1 MB 以下) はメール/メッセージ/チケットに添付して送る
ファイルが複数の場合は、 (tar や zip 等でアーカイブしたものを添付するのではなく) それぞれ別々の添付ファイルとして添付する。
(メールの場合) 添付ファイルの content-type を適切に設定する
MIME のメディアタイプは以下で定義されています。
Media Types
https://www.iana.org/assignments/media-types/media-types.xhtml
よくある間違いは、 テキストファイルや PDF ファイルを application/octet-stream で送る、 というものです (正しくは、 それぞれ text/plain と application/pdf です)。
複数のファイル/サイズが大きいものは fserv に置いて場所を知らせる
rsync.el を使って rsync できるように、 以下のように正確なファイル / ディレクトリのパスを知らせてください。 ~
以降にユーザ名を含める必要があることに注意しましょう。
例: fserv:~ohsaki/work/gridftp/doc/in05-2/submit/paper.pdf (ファイルの場合)
例: fserv:~ohsaki/work/gridftp/doc/in05-2/ (ディレクトリの場合)
rsync.el
https://lsnl.jp/~ohsaki/software/elisp/rsync.el
ファイルのパス上にポイント (Emacs のカーソル) を移動して、 C-c R(M-x rsync) を実行すれば、 Emacs から rsync が起動できます。
なお、 Emacs 上で、 上記のようなファイルのパスを入力するには、 C-c C-P (M-x insert-rsync-path) を実行します。 ミニバッファにパスを入力すれば (パス名の補完も可能です)、 現在のポイントにファイルの正確なパスが入力されます。
ファイルの漢字コードは UTF-8、改行はコードは LF に統一する
ファイルのパーミッションは 664、ディレクトリのパーミッションは 775 にすべて統一する (RCS で管理されたものは 444/555 でよい)
テキストファイル (org ファイルも) をメールに添付する時は、Content-Type を Text/Plain にする
原稿の PostScript/PDF ファイルだけでなく、ソースコード一式を fserv に置く (bib/obj/def/res ファイルなどもすべて置く。LaTeX が生成する中間ファイルは不要。)
ミーティング資料のファイル名は [project]-[user]-[yymmdd].[ext] とする
[project] はプロジェクト名、[user] はログイン名、[yymmdd] は日付、[ext] は拡張子です。
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips-lab/#12
例: gridftp-ohsaki-040321.pdf
発表資料のファイル名は [name]-[user]-[yymmdd].{org,pdf} とする
[name] は論文/国際会議/研究会の略称です。
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips-lab/#12
例: gridnet05-ohsaki-050821.org
例: gridnet05-ohsaki-050821.pdf
実験計画のファイル名は [project]-[user]-experiment-[version].org とする
例: gridftp-ohsaki-experiment-1.org
用語一覧のファイル名は [name]-[user]-glossary.org とする。
例: in05-4-ohsaki-glossary.org
アウトラインのファイル名は [name]-[user]-outline-[level].org とする。
[level] はアウトラインのレベル 0 〜 3 です。
例: in05-4-ohsaki-outline-0.org
トピックセンテンスのファイル名は [name]-[user]-topic.org とする。
例: in05-4-ohsaki-topic.org
例: bachelor-ohsaki-topic.org
例: master-ohsaki-topic.org
ドラフトのファイル名は [name]-[user]-draft.org とする。
例: in05-4-ohsaki-draft.org
アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは単一のファイルにする (章単位で複数のファイルに分割しない)
論文全体通して整合性をチェックしたいので、 一つのファイルとして作成してください。
アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは、校閲に不要なコメントは削除しておく
論文の中身だけに集中したいので、 校閲する上で不要なコメントはすべて削除しておいてください
アウトライン・トピックセンテンス・ドラフトは体裁を整えてから校閲依頼を出す
論文の中身だけに集中したいので、 org ファイルのフォーマットを整えておいてください。 バッファ全体を選択して、 M-x indent-region と M-x fill-region とすればインデントと段落整形が自動でできます。
同じグループの、他の人のミーティング資料の校閲/添削結果もチェックする
コメントを反映した箇所には、どのように修正したかのコメントを残しておく
例:
% 今後の課題を埋めてください -ohsaki [2015/01/31]
% gakky さんの卒論を真似て埋めました -aki [2015/02/01]
コメントを反映できなかった箇所は、コメントを消さずに残しておく
カメラレディ作成や再投稿のために論文を修正する時は、revhistory で修正箇所を明示する
revhistory.sty --- LaTeX style file for recording revision history
http://www.lsnl.jp/~ohsaki/software/tex/revhistory.sty
修正したい箇所を、
\rev{修正前のテキスト}{修正後のテキスト}
とか
\rev[何のために修正したかのコメント]{修正前のテキスト}{修正後のテキスト}
のように修正します。
「変更前の文章」や「変更後の文章」に数式等が含まれている時は {} で 囲む必要があります。
例:
\rev{コネクション数 {$N$}}{フロー数 {$N$}}
単純な追加・削除の場合には、
\radd{追加したいテキスト}
\rdel{削除したいテキスト}
のようにすることもできます。 revhistory.sty ファイル中のコメントにサンプルがあります。
すべての修正を反映させる (最終稿を投稿する場合など) には、
\importrevisions
を指定します。逆に、すべての修正を破棄する場合には、
\discardrevisions
を指定します。
「専門用語一覧 → アウトライン → ドラフト → 原稿」の順に作業する
論文のアウトライン作成のための 100 のヒント
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/tips-outline/
論文中では必ず同じ用語を統一して使用する
句読点 (、。) を使う。コンマ・ピリオド (,.) は使用しない
論文中で、 句読点 (、。) を使うか、 コンマ・ピリオド (,.) を使うかはスタイルの問題です。 科学論文であればどちらも正しい表記法です。 ただし、 「句読点」と「コンマ・ピリオド」を混在させるのは誤りです。
研究室では、 すべての文書に句読点を使用してください。
単純な文法ミスやタイプミスをなくした状態で校閲/添削を依頼する
空白、アルファベット、記号はすべて半角 (ASCII) にする
半角文字と全角文字の間には単一の空白を入れる
括弧の前後にも単一の空白を入れる
日本語のパラグラフは、format-paragraph.el を用いて整形しておく
format-paragraph.el
http://www.lsnl.jp/~ohsaki/software/elisp/format-paragraph.el
整形したいパラグラフにポイントを合わせて、 ESC-p (M-x format-paragraph) で日本語のパラグラフが整形されます。 半角文字と全角文字の間の空白が不要な時 (翻訳の王様で処理する時など) は、 C-u ESC-p (C-u M-x format-paragraph) とします。
タイトル、章タイトルは、各単語 (冠詞/前置詞は除く) の先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
例: Network Topology Used in Simulation
図はすべて tgif もしくは cellx で作成する。陰やグラデーションは使用しない
絵心に自信があり、 イラスト的な図であれば inkscape で作成してもよい。 ただし、EPS 形式で出力して場合、 ps2eps で正しい BoundingBox を付ける必要があるかも。
グラフは xdoplot で作成する
xdoplot
https://lsnl.jp/~ohsaki/software/xdoplot/
xdoplot から EPS で出力する時は、 psfix-gnuplot フィルタを用いて、 線の色やポイントを修正しておく。
psfix-gnuplot
http://www.lsnl.jp/~ohsaki/software/perl/psfix-gnuplot
xdoplot -te foo.res | psfix-gnuplot >foo.eps
xdoplot -te foo.res | psfix-gnuplot -e >foo.eps (信頼区間が含まれる場合)
図・グラフ中の文字は、フォントに Helvetica を使用し、本文の脚注よりも大きなフォントを使う
図・グラフのキャプションは図の下側に、表のキャプションは表の上に置く
図・グラフ中の文字は、先頭の文字を大文字に *しない* (英語の場合)
例: ingress PE router
図・グラフのキャプションは、先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
例: \caption{Maximum TCP throughput for $N = 10$ and $B = 1.5$~[Mbit/s]}
グラフの軸ラベルは、先頭の文字を大文字に *しない* (英語の場合)
例: packet loss probability
表の罫線は最小限のものだけ使用する (例えば、「パラメータ名」と「値」の間のみ)
\begin{tabular}{tbp}
parameter & value \\
\hline
$\alpha$ & 1.0 \\
$\beta$ & 0.5 \\
$\gamma$ & -1 \\
\end{tabular}
図・グラフ中の記号や数式は、フォントに Helvetica の斜体 (イタリック) を使用する
LaTeX ドキュメントに図・グラフを挿入するには \insertfig マクロを使う
insertfig.sty --- LaTeX style file for including EPS figures
http://www.lsnl.jp/~ohsaki/software/tex/insertfig.sty
例: \insertfig{model}{Analytic model}
図・グラフ・表は、文中で始めて参照している段落の直後に配置する
\insertfig マクロを使う場合は、 文中で \ref{} で始めて参照している段落の直後に \insertfig マクロを書けばよい。
figure 環境や table 環境の placement は tbp (top, bottom, page of floats) にする
例: \begin{figure}[tbp]
論文作成には pLaTeX を使用する
研究会の原稿は、以下のファイルをベースに作成する (ディレクトリごと cp -av して、修正を加える)
fserv:~ohsaki/work/template/doc/ieicej/
\label コマンドのラベルには意味のある名前をつける
例: \label{sec:intro}
例: \label{fig:simulation-parameters}
例: \label{eq:max-throughput}
各ソースファイルの先頭には、以下のようなヘッダをつける
英語の場合:
% -*- LaTeX -*-
%
%
% Copyright (c) 2010, Taro Kangaku.
% All rights reserved.
%
% $Id: index.pod,v 1.24 2022/12/20 03:14:15 ohsaki Exp $
%
日本語の場合:
% -*- japanese-LaTeX -*-
%
%
% Copyright (c) 2010, Taro Kangaku.
% All rights reserved.
%
% $Id: index.pod,v 1.24 2022/12/20 03:14:15 ohsaki Exp $
%
AUC-TeX モードを用いて、適切なインデントをつける
fserv:~ohsaki/bib の bib ファイルはそのまま使用する (複製→編集を *しない*)
fserv:~ohsaki/bib へのシンボリックリンクを張るか、 環境変数 BIBINPUTS に ~ohsaki/bib を追加しましょう。
fserv:~ohsaki/bib の bib ファイルを変更したい時は、 差分ファイル (diff -u の出力) を送ってください。
スタイルファイルは Debian のパッケージのものをそのまま利用する
texlive-base と texlive-extra パッケージに必要なほとんどの スタイルファイルが含まれています。
追加的なスタイルファイルは macro/ ディレクトリにコピーを置く
fserv:~ohsaki/inputs のスタイルファイルはそのまま使用する (複製→編集を *しない*)
fserv:~ohsaki/inputs へのシンボリックリンクを張るか、 環境変数 TEXINPUTS に ~ohsaki/inputs を追加しましょう。
bib ファイルのエントリ名は、[Lastname][YY]:[TitleWord] とする。
[Lastname] は著者のラストネーム (先頭を大文字にする)、 [YY] は出版年の下二桁、 [TitleWord] はタイトルから特徴的な単語を 1〜3 個程度抜き出したもの (先頭を大文字にして連結させたもの) です。
例えば、
J. Padhye and S. Floyd, ``On inferring TCP behavior,'' ACM SIGCOMM
Computer Communication Review, vol. 31, no. 4, pp. 287-298, August 2001.
なら、
@Article{Padhye01:Inferring,
に、
S. Kalyanaraman et al., ``Performance of TCP over ABR on ATM
backbone and with various VBR traffic patterns,'' in Proceedings of
IEEE ICC '97, June 1997.
なら、
@InProceedings{Kalyanaraman97:Performance,
のようにします。
なお、 Emacs の bibtex-mode では、 以下のように設定しておくと便利です (エントリ名を (ほぼ) 自動的に生成してくれます)。
(setq bibtex-autokey-name-case-convert 'capitalize)
(setq bibtex-autokey-titleword-case-convert 'capitalize)
(setq bibtex-autokey-titleword-separator "")
(setq bibtex-autokey-titleword-length 'infinity)
(setq bibtex-autokey-titlewords 1)
(setq bibtex-autokey-year-title-separator ":")
(setq bibtex-autokey-titleword-ignore
'("A" "An" "On" "The" "a" "an" "on" "the"))
指導者および指導教員の校閲/添削は少なくとも 3 回は必要であることを理解する (人にもよるが、3 〜 5 回くらいは必要)
論文の校閲/添削には 1 回につき 2 〜 3 日 (休日を除く) かかる。それを計算に入れたスケジュールにする
共著者全員に論文の完成版 (ドラフトではダメ) を確認してもらい、投稿の許可をもらう
企業との共同研究の場合は、発表申込や論文投稿の許可が必要。それぞれ遅くともしめきりの一週間前には完成原稿を送付して許可をもらう必要があります。特許出願の可能性がある時は、一ヶ月〜二ヶ月前に発表の可否を照会する必要があります。
スライドの枚数は、発表時間が N 分なら N 枚以下にする
スライドで使用する数式、図、表は、論文のものをそのまま使う。
発表資料のテンプレートをそのまま使う
fserv:~ohsaki/work/template/doc/bachelor-interim/sample/ohp/ohp.org
fserv:~ohsaki/work/template/doc/master-interim/sample/ohp/ohp.org
タイトルは、各単語 (冠詞/前置詞は除く) の先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
例: Background: Conventional Techniques for Network Analysis
本文 (すべてのレベル) は、先頭の文字のみ大文字にする (英語の場合)
例: Scalable to large-scale networks
本文で、強調したい箇所は太字 (ボールド) にする
グラフは 1 枚/ 1 スライドとし、ページ一杯まで拡大する (マージンをできるだけ小さくする)
ミーティング開始までに、ミーティング資料の PDF ファイルを fserv にアップロードする
fserv の bib ファイルを随時更新する
fserv の bib ファイルを以下の場所に作成し、随時更新してください。
fserv:/share/bib/[user].bib
ファイルの漢字コード (UTF-8)、改行はコード (LF)、パーミッション (666) 等にも注意してくださ い。
http://www.lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips-lab/#5
対象は、 卒論、 修論、 研究会、 国際会議、 論文、 著書、 標準化団体寄書などで、 大崎研の教員・学生が著者に入っているものです。 投稿中や発表予定のものも含めてください。
論文の投稿後、 口頭発表後、 採録通知受理後など、 論文の状態が変化した後に更新してください。
bib ファイルの書き方については、 以下のページを参照してください。
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips/#6-5
投稿中の論文や国際会議の journal/year/month は、 以下のようにします。 国際会議でも、 @InProceedings ではなく @Article を使うこと、 year と month は投稿した年月にすることに注意してください。
journal = {{\rm submitted to} 英語論文誌名},
year = 投稿した年,
month = 投稿した月,
journal = {日本語論文誌名 (投稿中)},
year = 投稿した年,
month = 投稿した月,
journal = {日本語論文誌名 (条件付採録)},
year = 再投稿した年,
month = 再投稿した月,
journal = {{\rm submitted to} 英語国際会議名},
year = 投稿した年,
month = 投稿した月,
採択が決定された論文は、 以下のようにします。
journal = {英語論文誌名 (to appear)},
year = 掲載予定年,
month = 掲載予定月,
journal = {日本語論文誌名 (掲載予定)},
year = 掲載予定年,
month = 掲載予定月,
発表が決定している国際会議や研究会は、 以下のようにします。
booktitle = {Proceedings of 英語国際会議名 (to appear)},
year = 発表予定年,
month = 発表予定月,
journal = {日本語研究会名 (発表予定)},
year = 発表予定年,
month = 発表予定月,
fserv の bib ファイルは複数の人が修正するので、 上書きしないように注意してください。 修正後は、 bibcheck で間違いがないかをチェックしましょう。
fserv に最終版の原稿のファイル一式を置く
他の人が原稿ファイルを活用できるように、 fserv の各自のホームディレクトリに、 以下のようなディレクトリ構成でファイルを置いてください。
fserv:~[user]/work/[project]/doc/[name]/
|
+--- RCS RCS のバージョン履歴
|
+--- bib この論文固有の bib ファイルを置く
|
+--- camera-ready camera-ready のファイル一式
|
+--- RCS RCS のバージョン履歴
|
+--- bib ../bin へのシンボリックリンク
|
+--- figure ../figure へのシンボリックリンク
|
+--- misc camera-ready 作成時のメモなど
|
+--- submit camera-ready の PDF ファイル
|
+--- figure 論文で使用する図の obj/def/res/eps ファイル
|
+--- misc 用語集、アウトライン、査読結果など
|
+--- submit 最終版の PDF ファイル
[user] はログイン名、[project] はプロジェクト名です。
[name] は論文/国際会議/研究会の略称です。
論文の場合は、 論文の略称で ton/ijcs/ieicej のようにします。
国際会議の場合は、 「国際会議の略称 + 2 桁の年」で、 infocom04/networking98/gridnets00 のようにします。
研究会の場合は、 「研究会の略称 + 2 桁の年 + 月」で、 in05-1/in04-12/ns98-3 のようにします。
修論の場合は、 「ログイン名-master」で、 kohei-master のようにします。
修論の場合は、 「ログイン名 -bachelor」で、 kohei-bachelor のようにします。
アルファベットはすべて小文字にしてください。
不要なファイルは置かないようにしてください。 LaTeX や BibTeX の中間ファイルもすべて削除しておきましょう。 残しておきたいファイルがあれば、 misc 以下に置いてください。
figure 以下には、 EPS ファイルのソース (obj/def/res ファイルなど) も置いてください。
submit 以下には、 原稿および発表スライドの最終版の PDF ファイルを、 paper.pdf、 slide.pdf というファイル名で置いてください。
国際会議の場合には、 スライドの PDF ファイルは camera-ready/submit に置いてください。
他の人が活用できるように、 以下の点にも注意してください。
https://lsnl.jp/~ohsaki/research/100-tips-lab/#5
最後に、 以下のテストスクリプトを実行して、 ファイルが正しく整理されているか確認してください。
https://lsnl.jp/~ohsaki/software/perl/chkarchive
ミーティング・解析・シミュレーション・実験関連のファイルは以下に置く
他の人が原稿ファイルを活用できるように、 fserv の各自のホームディレクトリに、 以下のようなディレクトリ構成でファイルを置いてください。
fserv:~[user]/work/[project]/doc/meeting/
fserv:~[user]/work/[project]/doc/analysis/
fserv:~[user]/work/[project]/doc/simulation/
fserv:~[user]/work/[project]/doc/experiment/
[user] はログイン名、[project] はプロジェクト名です。
一般的なビジネスマナーを身につけておく
学生として、 企業との共同研究に参加する場合は、 最低限のビジネスマナーを身につけておき、 一人の社会人として、 共同研究先に失礼のないように行動しましょう。
通常、 大学と企業の共同研究の場合は、 大学と企業が共同研究契約を締結して、 それに沿った形で共同研究を実施しています。 学生がアルバイトとして企業に雇用されているのでもなく、 学生がインターンシップとして企業に雇用されているのでもありません。 あくまで、 大学と企業との契約に基いています。
そのため、 みなさんが「学生」の立場で共同研究に参加しているとしても、 そこは「大学」と「企業」のロジックで動いている世界です。 大学の講義や演習のように、 「大学」と「学生」のロジックで動いている世界ではありません。
一人の社会人として、 最低限のビジネスマナーは身につけておきましょう。 あいさつをする、 何かしてもらったらお礼を伝える、 外部の人・目上の人に敬意を払う、 発言や行動には責任を持つ……など、 当たり前のことばかりですが、 すべて実践できるようになりましょう。
共同研究契約を守る (特に秘密保持契約に関するところ)
共同研究は、 通常、 「大学」と「企業」の間で締結された共同研究契約に基いて実施されています。
学生の立場で、 共同研究のミーティングに参加する場合は、 普段行っているような学内のミーティングやゼミと同じようなものと錯覚してしまうかもしれません。 しかし、 共同研究のミーティングは、 そのような学内のミーティングやゼミとはまったく種類が違います。
特に、 秘密保持契約 (NDA; Non-Disclosure Agreement) には十分注意しましょう。
通常の共同研究では、 「大学」と「企業」の間で秘密保持契約を締結しています (正確には、 秘密保持に関する条項が共同研究契約に含まれています)。 このため、 共同研究によって知り得た情報を、 共同研究先の許可を得ることなく、 外部に公開してはいけません (契約違反となり、 法的な責任を問われることになります)。 友達だから、 家族だから、 知り合いだから……といった気軽な感覚で、 第三者に情報を伝えてはいけません。
同じように、 共同研究のミーティングで配布された資料の取り扱いにも注意が必要です。 ミーティングで配布された資料を、 第三者に見せることは秘密保持契約違反となります。 故意であるか、 過失であるかは関係ありません。 うっかりしていて、 「共同研究の資料が添付されたメールを他の人に転送してしまった」場合でも、 「共同研究の資料が格納された USB メモリを紛失してしまった」場合でも、 秘密保持契約違反となります。 大学の講義や演習で配布される資料とはまったく扱いが異なりますので、 この点には特に注意しましょう。