教育基本法
https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/mext_00003.html
(学校教育)
第六条の 2
前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身
の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合
において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとと
もに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければ
ならない。
(大学)
第七条
大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理
を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することによ
り、社会の発展に寄与するものとする。
→「必要な規律を重んずるとともに、 自ら進んで学習に取り組む意欲を高める」というのが学校教育です。 大学は、 「高い教養と専門的能力を培うとともに、 深く真理を探究」する場所です。 教育基本法でそう定められています。
「少しくらい他の人に迷惑がかかっても自分の自由にしたい」とか、 「とにかく卒業したいので簡単な課題を出して欲しい」と思う人もいるでしょうが、 大学はそういう場所ではありません。
「もっと楽に単位を取りたい」等を心の中で望むのは自由ですが、 「もっと楽に単位を取れるようにして欲しい」と教員に要求するのは法令違反です。
大学設置基準
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/053/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2012/10/30/1325943_02_3_1.pdf
(単位)
第二十一条の 2
前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を
必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授
業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単
位数を計算するものとする。
一 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める
時間の授業をもつて一単位とする。
二 実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学
が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個
人指導による実技の授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位
とすることができる。
→ 2 単位の講義・演習では、 90 時間の学修を必要とします。 したがって、 67.5 時間の予習・復習が必要になる。
「2 単位の授業を取るのに、 67.5 時間も予習・復習できる訳がない」と思うかもしれませんが、 大学設置基準でそう定められています。 みなさんは、 ほとんどの科目において圧倒的に学習時間が不足しています。
「67.5 時間が標準なのに、 ぜんぜん学習時間が足りていない。 どうすればよいか?」 と考えてください。
「67.5 時間も予習・復習を要求するなんてありえない。 課題をたくさん課す教員はブラック教員だ。」 という考え方のほうが間違っています。
Kwanseiコンピテンシー
https://www.kwansei.ac.jp/about/kg_competencies
→本科目の履修を通して、 10 種類のコンピテンシーのそれぞれを、 どうすれば伸ばすことができるかを考えてください。
授業中の課題でも、 「どの問題を、 どの順番に、 どうやって解けばよいのか細かく具体的に指示して欲しい」と思うかもしれませんが、 Kwansei コンピテンシーを伸ばす妨げになりますのでしません。
みなさんが「困難を乗り越え」、 「主体的に行動」し、 「生涯にわたって学び続けられる」ようになれるように支援します。
簡単な問題を与え、 教員の指示通りに問題を解かせ、 重要な概念は丸暗記させて、 本科目の合格だけを目指して勉強を強いる、ようなことはしません。
× 単位を取るコツを教える
○ 知的好奇心を刺激する
× ツールの使い方を教える
○ 概念を教える
× 知識を伝える
○ 自分で学ぶ方法を教える
× 教員が主役
○ 受講生が主役
本当にこの授業を受講したいか? を自分自身で考えて決めてください。
受講する場合
→ すべての授業に遅刻せず出席し、主体的に学習する
学習共同体なので、他の人に対しても責任を負う
出席するに値する授業になっていなければ大崎に知らせる
用語集
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/1325048_3.pdf
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修へ
の参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することに
よって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能
力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれ
るが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワー
ク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
→ 「受け身」ではなく、「能動的な」学びである。
→ 「教養・知識」だけでなく、「認知的、倫理的、社会的能力」も含めた
汎用的能力を伸ばす。
2.学習活動の示し方や「アクティブ・ラーニング」の意義等
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364316.htm
- 思考力・判断力・表現力等は、学習の中で、(2)1.2)に示したような
思考・判断・表現が発揮される主体的・協働的な問題発見・解決の場面を
経験することによって磨かれていく(※15)。身に付けた個別の知識や技
能も、そうした学習経験の中で活用することにより定着し、既存の知識や
技能と関連付けられ体系化されながら身に付いていき、ひいては生涯にわ
たり活用できるような物事の深い理解や方法の熟達に至ることが期待され
る(※16)。
- また、こうした学びを推進するエンジンとなるのは、子供の学びに向かう
力であり、これを引き出すためには、実社会や実生活に関連した課題など
を通じて動機付けを行い、子供たちの学びへの興味と努力し続ける意志を
喚起する必要がある(※17)。
- このように、次期改訂が目指す育成すべき資質・能力を育むためには、学
びの量とともに、質や深まりが重要であり、子供たちが「どのように学ぶ
か」についても光を当てる必要があるとの認識のもと、「課題の発見・解
決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニン
グ」)」について、これまでの議論等(※18)も踏まえつつ検討を重ねて
きた。
- 昨年11月の諮問以降、学習指導要領等の改訂に関する議論において、こう
した指導方法を焦点の一つとすることについては、注意すべき点も指摘さ
れてきた。つまり、育成すべき資質・能力を総合的に育むという意義を踏
まえた積極的な取組の重要性が指摘される一方で、指導法を一定の型には
め、教育の質の改善のための取組が、狭い意味での授業の方法や技術の改
善に終始するのではないかといった懸念などである。我が国の教育界は極
めて真摯に教育技術の改善を模索する教員の意欲や姿勢に支えられている
ことは確かであるものの、これらの工夫や改善が、ともすると本来の目的
を見失い、特定の学習や指導の「型」に拘泥する事態を招きかねないので
はないかとの指摘を踏まえての危惧と考えられる。
→ 「主体的」で「協働的」というのがポイント
- 同級生・上級生が最良の教師である
「わからない」学生に最も教えるのが上手いのは、つい最近「わかった」ば
かりの学生である (教員と学生は理解度の差が大きすぎるので、教員はなぜ
学生がわからないのかがわからない)。
- 誰かに教えることが最良の学習法である
最も効果的な学習法は、自分が学びたい内容を「誰かに教えること」である
(誰かに説明するためには、自分自身が正しく理解していないといけないか
ら)。
- 「幸せ」とは誰かの役に立っていると実感すること
わかっている人が、わかっていない人に教えると感謝される (誰かの役に立
つ)。人間の「幸せ」とは自分が誰かの役に立っていると実感できること。
- 他人の助けを借りられるのも重要な技術
現実の問題に直面した時、自分の力でその問題を解決できる技術も重要だが、
それと同様に、その問題を解決するために他人の力を借りることができる技
術も同じくらい重要。
- 一言で言えば「Mastery for Service」
何よりも大切なのは Mastery for Service である (自分が熟達するのは、
自分が熟達することによって他者に貢献できるようになるため)。
態度目標を実践してみてください。 それぞれの態度目標の「ねらい」は以下の通りです。
- しゃべる
- 説明する
→ 「話すことは考えること」です。わからないから質問していると、その
途中で、「……あ、そうか。わかった。」となった経験はありませんか?
誰かと対話するためには考えを整理する必要あります。「誰かと話す」
というのは、自分の考えを整理するのを手伝ってもらっている、という
意味もあります。
- 質問する
→ ギリシャの哲学者ソクラテスと同じように、「なぜ?」、「なぜ?」、
「なぜ?」と問い続けることが理解につながります。素人の素朴な疑問、
わかっていない人の「なぜ?」という問いかけは、他の人にとっても物事
の理解を深めるのに役立ちます。
- 動く (立ち歩く)
→ 同じ人と対話してもいいのですが、複数の人と対話をすると、人と人の
「ネットワーク」ができます。一般に、ネットワークの価値は、ノード数
の二乗に比例します。大きなネットワークの一部に加わるように意識しま
しょう。あちこちのグループに声をかけるのが苦手なら、近づいて黙って
話を聞いているのもいいですし、あちこち動き周っている人をつかまえて
自分のグループに引き込んでもいいでしょう。
- チームで協力する
- チームに貢献する
→ 自分自身が「内容目標」を達成するのも重要ですが、他の人が「内容目
標」に達成することを助けることも同じか、それ以上に大切です。自分
が他の人よりも早く課題の要点に気付いたなら、それを少しでも多くの
人に伝えてあげましょう。「ありがとう」と感謝されるし、「すごいヤ
ツがいる」とあなたの評判も上がるでしょう。
- 私は人見知りなので緊張する。話しかけづらい。
→ みんなそうです (私もそうです)。少しずつ comfort zone から抜けられ
るように挑戦しましょう。
- 私は一人で取り組むのが好きだ。
→ 私もそうです (自分一人が学ぶなら、独学が最も効率的だと思ってまし
た)。自身の学習方法を 100% をアクティブラーニングに変更する必要は
ありません。他の授業は独学でしょうから、この授業くらいは協働で学
んで、その良さを (そして欠点・限界も) 体感してみてください。
- 人見知りなので、座席指定されるのは嫌だ。
→ 私が学生なら同じように嫌だと思います。ただ、リフレクションシート
の感想を読んでいいると、6〜7 割の学生さんは「座席指定がよかった」、
「声をかけてもらえて嬉しかった」という感想を持っているようです。
声をかけた側と、声をかけられた側の認識は非対称のようです。つまり、
声をかけた側は「大したことをしたつもりなはい」のですが、声をかけ
られた側は「とても嬉しかった」と感じるようです。「自分がしてもらっ
て嬉しいことを、自分が誰かにしてあげなさい」ということでしょうね。
- 課題の答を載せないで欲しい。確認テストも簡単すぎる。
→ 意図的なものです。私の授業では、全員が理解し、確認テストでは全員
が 100 点を取れることを目指しています。課題が簡単だと感じる人は、
ぜひ課題を難しいと感じる人を助けてあげてください。
- 全員が 100 点を取ることに何の意味があるのか?
→ 私がベースにしている小林昭文先生の受け売りですが、「自分のことよ
り他人のことを大切にする姿勢は人にとって何より大切なこと」であり、
「『できた! わかった!』という実感を持てないのにオペレーティングシ
ステムが好きになる訳がない」からです。
あなたは、「プリエンプティブマルチタスキングは非常に詳しいが、他
人を一切助けない人」と「プリエンプティブマルチタスキングはチンプ
ンカンプンだが、他人を一生懸命助ける人」のどちらになりたいですか?
- 友人と議論しても結論が出ないから先生から答を聞きたい。
→ 教員が回答する、というのはアクティブラーニングで「最もやってはい
けないこと」だそうです。教員が回答すると、「なんだ、最初から先生
に聞けばいいんだ」というのを学生さんが (誤って) 学習することにな
り、アクティブラーニングを邪魔します。教員は「教えることが好き」
なので私もいろいろ説明したいのですが、グループワークの時間は我慢
して黙っています。
また、課題の「答」を理解することも重要なのですが、それよりも「主
体的に、協働的に」課題の答を探究するスキルを修得することが重要で
す。
- 課題や略解が間違っていると思う。それでも質問しないほうがいいのか?
→ 誤りがあると思ったらすぐに指摘してください。誤りはの訂正は早けれ
ば早いほどいいので。
- グループワークの時間が長すぎる。先生が説明する時間をもっと増やしてほしい。
→ 私ももっと説明したいと思っています。週 2 コマあればいいのにね。と
きどきは解説中心の授業もしますので、その時を楽しみにしていてくだ
さい。
- この授業のアクティブラーニングは、誰の手法を真似しているのか?
→ 高校で物理を教えていた小林昭文先生の手法を基礎にしています。小林
昭文先生の著書を読むと、「あ、そっくり」と感じるでしょう。アクティ
ブラーニングや「学び合い」に関する書籍を 20〜30 冊くらい読んで、
それらの中で良いと思うものを取り入れています。工学系や情報系にお
けるアクティブラーニングの事例に関する情報が少ないので、私もいろ
いろ思考錯誤している最中です。
病欠/公欠であることを、 できるだけ早い段階で大崎に知らせてください。 記録を残したいので、 メールで連絡してください (口頭で *も* 伝えてくれても構いません)。
講義ビデオを授業後にアップロードしますので、 自習し、リフレクションシートやレポート課題等を、 授業に出席した人と同じように提出してください。
具体的な手順は以下の通りです。
1. 体調不良なら、まず体調の回復を優先させる。
2. (体調不良なら、体調が回復した後で) 講義ビデオを視聴する。
3. 自習する (内容目標、態度目標 (可能なもののみ) の到達を目指す)
4. リフレクションシートを提出する (提出期限: レポート課題と同じ)
5. 確認テストは不要 (答案のアップロードも不要)
6. レポート課題を提出する (提出期限: 通常通り)
リフレクションシートやレポート課題を期限までに提出するのが難しければ別途相談してください (個別に期限延長の可否を判断します)。